臨床応用顕微鏡歯科学会では、顕微鏡治療にとどまらず、アメリカ矯正学会(AAO)にも積極的に参加しています。AAOは世界最大級の矯正の学会であり、最も影響力のある学会の一つです。
秋山先生は矯正治療の専門医として臨床に取り組んでいますが、矯正の分野でも、日本と世界の最先端の考え方には違いがあるようです。例えば、最新の研究では「顎関節症と咬合には、強い因果関係はない」という驚くべき結論がAAOで発表されています。この研究は、歴史的に重要な発見であり、今までは顎関節症の主な原因は、咬合由来と考えられていましたが、それよりも「神経可塑性(ニューロプラスティシティ)」による影響が大きいと考えられています。この事実は、日本の歯科医師のほとんどがまだ知らない最先端の情報だろ考えます。
アライナー矯正の最新動向
日本ではマウスピース矯正が非常に流行していますが、国際的には「アライナー矯正」と呼ばれています。アメリカ矯正学会(AAO)でも、これまではクリンチェックのようなアライナー矯正の基本的な治療に関する報告が中心でした。しかし、2024年のアメリカ矯正学会(AAO)では、これまでの認識を180度覆すような衝撃的な発表がありました。その内容は、「アライナー矯正単独では、非常に簡単なCASEを選ばないと矯正治療として十分な結果を得るのが難しい。」という結論です。日本では「アライナー矯正でどの様な症例もきれいな歯並びと咬合にできる。」と思われがちですが、2024年のアメリカ矯正学会(AAO)では、アライナー矯正の限界や成功率に関する論文(2009年・2020年)が発表され、「私たちが考えているほど万能な矯正方法(ワイヤー矯正のかわり)ではない」という見解が示されています。
今後の矯正治療の方向性
つまり、今後の世界の流れとしては、アライな矯正単独での治療ではなく、TAD(矯正用アンカースクリュー)などの補助装置を併用する方向へシフトしていくと考えられます。アライナー矯正単独では、特定の歯の動き(たとえば挺出)が難しく、効果的な矯正ができないケ-スがあることも詳細に発表されました。この情報が秋山先生が学会員に報告しています。
私達は、秋山先生を中心にこうした最先端の研究結果やリサーチを学び、正しい医療を常に提供し続けることが重要と考えています。臨床応用顕微鏡歯科学会では、秋山先生の指導のもと、歯科医師として成長し続けるために海外研修会を続けていきます。