ブログ | 臨床応用顕微鏡歯科学会

ブログ

Blog

2025年ミッドスプリングミーティングが開催されました。

毎年開催される臨床応用顕微鏡歯科学会のミッドスプリングミーティングが、2025年4月19日と20日の2日間、東京お茶の水の連合会館にて行われました。このイベントでは、各分野の最新情報を会員同士で共有し、知見を深める貴重な機会となっています。

今年の会議では、会員がペリオ、インプラント、エンド、補綴、予防、矯正、テクノロジー、口腔外科の各班に分かれ、それぞれのリサーチ成果を発表しました。グループでのリサーチを通じて、一人では集めることが難しい膨大な情報を共有することができ、参加者全員にとって有意義な時間となりました。

さらに、秋山先生による熱心な解説が加わり、会員の理解が一層深まりました。充実した2日間を通じて、新たな知識とつながりを得ることができたことに感謝しています。来年のミーティングも、皆様のご参加をお待ちしております。

アメリカ矯正学会(AAO)

臨床応用顕微鏡歯科学会では、顕微鏡治療にとどまらず、アメリカ矯正学会(AAO)にも積極的に参加しています。AAOは世界最大級の矯正の学会であり、最も影響力のある学会の一つです。

秋山先生は矯正治療の専門医として臨床に取り組んでいますが、矯正の分野でも、日本と世界の最先端の考え方には違いがあるようです。例えば、最新の研究では「顎関節症と咬合には、強い因果関係はない」という驚くべき結論がAAOで発表されています。この研究は、歴史的に重要な発見であり、今までは顎関節症の主な原因は、咬合由来と考えられていましたが、それよりも「神経可塑性(ニューロプラスティシティ)」による影響が大きいと考えられています。この事実は、日本の歯科医師のほとんどがまだ知らない最先端の情報だろ考えます。

アライナー矯正の最新動向

日本ではマウスピース矯正が非常に流行していますが、国際的には「アライナー矯正」と呼ばれています。アメリカ矯正学会(AAO)でも、これまではクリンチェックのようなアライナー矯正の基本的な治療に関する報告が中心でした。しかし、2024年のアメリカ矯正学会(AAO)では、これまでの認識を180度覆すような衝撃的な発表がありました。その内容は、「アライナー矯正単独では、非常に簡単なCASEを選ばないと矯正治療として十分な結果を得るのが難しい。」という結論です。日本では「アライナー矯正でどの様な症例もきれいな歯並びと咬合にできる。」と思われがちですが、2024年のアメリカ矯正学会(AAO)では、アライナー矯正の限界や成功率に関する論文(2009年・2020年)が発表され、「私たちが考えているほど万能な矯正方法(ワイヤー矯正のかわり)ではない」という見解が示されています。

今後の矯正治療の方向性

つまり、今後の世界の流れとしては、アライな矯正単独での治療ではなく、TAD(矯正用アンカースクリュー)などの補助装置を併用する方向へシフトしていくと考えられます。アライナー矯正単独では、特定の歯の動き(たとえば挺出)が難しく、効果的な矯正ができないケ-スがあることも詳細に発表されました。この情報が秋山先生が学会員に報告しています。

私達は、秋山先生を中心にこうした最先端の研究結果やリサーチを学び、正しい医療を常に提供し続けることが重要と考えています。臨床応用顕微鏡歯科学会では、秋山先生の指導のもと、歯科医師として成長し続けるために海外研修会を続けていきます。

臨床応用顕微鏡歯科学会の海外での厳しい研修会

医療は日々進化しており、今日「良い」とされている治療が、後に「害がある」と判明することも珍しくありません。臨床応用顕微鏡歯科学会では、顕微鏡治療にこだわるだけでなく、常に世界の最先端の医療情報を把握する事が重要だと考えています。秋山先生の方針に基づき、学会のメンバーは毎年、世界の著名な学会に直接参加し、世界の最先端の研究結果やリサーチ情報を入手しています。

アメリカ歯周病学会(AAP)

具体例を挙げると、2023年と2024年のアメリカ歯周病学会(AAP)があります。この学会は、世界の最高峰の歯周病学会であり、特にインプラントに関する発表が多いのが特徴です。

2023年のアメリカ歯周病学会(AAPオースチン開催)では、最大のカンファレンステーマが「津波(TUNAMI)」でした。この「津波」とは、インプラント周囲炎の急増を指しており、インプラント治療の深刻な課題として取り上げられました。さらに、2024年の110回アメリカ歯周病記念大会(AAPサンディエゴ開催)では、同じテーマの続編として「ナイトメア(Nightmare)」という演題で、再びインプラント周囲炎に関する集中討議が行われました。

これらの学会で示されたのは、インプラント治療に伴うリスクが、日本の歯科医師が考えているよりも遥かに高いと言う事実です。アメリカでは、インプラントが将来的に問題を引き起こす可能性があることがすでに常識となっており「インプラントの方が天然歯より優れている」という考えは、アメリカの学会ではほとんど見られなくなっており、やはり天然歯を守る事が重要である事が認識されています。

「インプラント周囲炎は手術の技術により防げる」という考えをよく言われますが、実際にはそうではありません。最新の研究では、インプラント周囲炎は「確実に起こりうる問題」であることが常識となっており、その発生率も論文により明確に示されています。

さらに、インプラント周囲炎は治療後経時的にその確率が経時的に増加する傾向にあります。「手術が上手だから」「インプラント経験豊富だから」と言って問題が起こらないわけではありません。どれだけ技術がたかくてもリスクをゼロにはできないのです。

現在、多くのインプラントはセメントで固定ではなく、スクリュ ーで固定する方式が主流です。以前は「セメントが歯肉内部に残ることでインプラント周囲炎が起こる」と考えられていましたが、細菌の研究では「スクリュー方式でもインプラント体と補綴物との境界部分のマイクロリーケージがインプラント周囲炎の大きな原因になる」と2024年AAPで発表がされています。

臨床応用顕微鏡歯科学会主催ハンズオンコースがドイツで開催! スリーステップ秋山メソッドが海外で認められました。

2024年7月3日~4日までドイツオーバーコッヘンのカールツァイス本社にて第6回ハンズオンコースが開催されました。
今回のコースはまず秋山先生をはじめ学会員が講演からスタート。その後、臨床応用顕微鏡歯科学会公認のインストラクターがドイツで顕微鏡治療を専門に行う著名な歯科医師やカールツァイスのドイツ本社スタッフに向けて、最先端のモダン顕微鏡の理解を深める実習と最後にスリーステップ秋山メソッドの6ヵ所のポジショニングデモも実施されました。
日本の学会がドイツで顕微鏡のハンズオンを行うのは歴史的な出来事と学会では認識しています。その内容は日本で行われてる学会主催のハンズオンコースと同じ内容です。この内容は学会のYouTubeチャンネル臨床応用顕微鏡歯科学会にてご覧いただけます。動画の題名は“ドイツ開催AMD主催第6回ハンズオンコース”です。
臨床応用顕微鏡歯科学会は、日本発の「スリーステップ秋山メソッド」を世界に広め、歯科の未来を変えることを目指し、確実にグローバル化を進めています。